呉・四国旅、2日目。
ホテルでゲットしたイラストマップを片手にいざ、松山へ🐾
宿泊先から最寄りの道後温泉駅で市内周遊きっぷを購入し、大街道駅で下車。5分くらい歩くとモダンな建物が見えてきた。
小説の主人公である秋山兄弟と正岡子規の生涯、および近代の歴史をさまざまな展示物で学べるのがこちら。
上階へはスロープでつながっているため、館内はまさに「坂」を進んでいくような構造。建築は、世界的に有名な安藤忠雄氏が手掛けたもの。
先週までドラマを見ていたので、展示の内容は凡そ知っているけれど、それでも夢中になって読む、読む、読む。当人たちが書き記した手紙の複製もあり、特に印象深かったのは、秋山兄弟の兄・好古さんが弟の嫁さんを気遣って送った絵はがき。
「時間があれば俺の子の遊び相手になってくれ」
みたいなメッセージとかわいいイラストが描かれていて、人柄が伝わってくるようだった。
続いて、松山城に登るためロープウェイ乗り場へ移動▶▶▶
車内に乗り込むと
「松山城へようおいでたなぁもし♪」
のアナウンスが👀
ぞなもし!ついに、本場の伊予弁が聞けたぞ!
肝心の松山城はというと、
興味が湧かず、ほぼスルー・・。
夫が城好きのため、これまでも色んな所を見て回ったけど、どこも似たり寄ったりでいまいち面白さが分からない。
勉強不足ですね、はい。
お昼は鯛めし!🐡
たらふく食べて大満足。さぁ、次は秋山兄弟の生誕地へ▶▶▶
まず目に飛び込んできたのが好古さんの立派な像。
なんでそっち向き?
視線の先には真之さん。
好古さんの正面にまわると
なぜか動けなくなった。像なのに、すごい迫力。
忠実に再現したという二人の生家へ入ると、ビデオや写真、手紙が見られた。
ドラマで好古役を演じた阿部寛のサインもあった!
正岡子規ゆかりの地、子規堂(正宗寺)へ▶▶▶
こちらは子規の文学仲間であり正宗寺の住職でもあった仏海禅師さんが、子規の偉業を称えて上京するまでの住居を境内に復元。
中には子規直筆の原稿や勉強部屋、机などのほか、闘病生活中に使われていた布団の切れ端なんかも展示されていた。
子規の友人である夏目漱石の写真や関連雑誌、サイン、坊ちゃんの原稿(複製)も飾られていて、ファンなら夢中になって見てしまう。
ショーケースの隅の方に、なんと小説『坊ちゃん』の登場人物たちがいた!!!
教頭の赤シャツは、赤色のシャツ姿を想像していたけど、重ね着をしている。意外と洒落た奴だったんだ。
道後温泉駅まで帰ってきて、
今度は松山市立子規博物館へ▶▶▶
展示品や説明パネルを見ていると、先に進んでいた夫が折り返してきた。
「読むのが遅い!」
「家でもっと読む練習しい!」
「もう時間ないで!」
散々言われ、子規の一生を急ぎ足で見切った。
(クソッ)
予定より時間が押していたので仕方がない。
ぜひ再訪したい!
ミュージアムショップで
「日めくり 子規・漱石 俳句でめぐる365日」をゲット✌
二人の作品に毎日触れて癒されよう。
ラストはあの有名な道後温泉本館へ!▶▶▶
前日の晩に館を目にしたとき、それはもう驚いた。
橙色の灯りに吸い込まれるような。まるでタイムスリップしたかのような。
一画だけ別世界を醸していて、完全に見惚れた。
明治が目の前にある!
興奮気味に、入浴を申し込むと
「整理券がないと入れません。」
とな?!
混雑緩和のため毎朝6時から整理券を配布しているようでそれがないと入れないとのこと。
なので2日目の朝、出かけるまえに整理券を入手した次第で、この日の夕方、ついに本館に足を踏み入れることができた。
浴室に入ると、横に長い円柱型の風呂が中心にあり、周りにシャワーが並んでいる。
さっとシャワーを浴び、風呂に入った。
浴槽の内側に段差があり、腰かけられる。
ただこれだと上半身が出過ぎて寒い。
しかし床まで腰を下ろすと顔が湯につかってしまって息ができない。
前を見ると同じようにこちらを向いてる人がいる。
円柱型の風呂なので、どこに座っても誰かと向かい合ってしまう。
全く視線が定まらない。
意識をそらすため、浴槽の中心にあるオブジェを見た。
中国人と思われる大人と子供の石像、その下には漢語が書かれてあり、奥の壁にはオブジェと同じ中国人の陶壁画が。
子どもがふざけている姿を冷ややかな目で見つめる親、みたいな図。わけわからん。
尻はつけない、前は向けない、壁画は意味不明。
全然落ち着けないじゃないか。
もう早く上がってしまいたい。
でも由緒ある温泉を心行くまで堪能したい。
意地になったが結局のぼせてギブアップ。
脱衣所に出たら、運悪く自分の下のロッカーに荷物を入れている日本人だか中国人だか分からん女が、こちらに気づいているのに知らぬ素振りで、身支度を進めてる。
なかなか声がかけられなくて、一分くらい立ち尽くしてしまった。
最後、館内から出ようと靴箱のカギを差したが開かない。3回差し直してみてもダメ。
もうすっかり傷心なのに、外に出たら雨に打たれて惨敗。体が冷えた。
一体何しに入ったんだか。
外から見るだけで充分でした。
この一連の流れを夫に話すと
「きみはね、大衆浴場には向いてないよ」
「家の風呂で我慢しときな」
もう入らんぜ、大衆浴場。
でも楽しかった。松山の旅。
密かに楽しみにしていた伊予弁は結局、
「松山城へようおいでたなぁもし」だけだった。
仕方がない、もう一回坂の上の雲を見よう。
そして何度も訪れよう、松山。
ありがとう松山。
また会おう松山。
おわり