旅行に出かけたのは1月27日。
ちょうどその週は、10年に一度の最強寒波襲来等と報じられ、新名神高速では立往生が起きていた。
これ本当に旅行に行けるの?
途中で立往生になったらどうしよう?
携帯トイレやスコップ、非常時の食料を車に積み込み、万全の体制を整えます。雨雲レーダーによると、どうやら午前中は降雪量が少ないらしい。朝6時に出発したら、途中チェーンをつけることなく、無事にホテルまで到着できました。
宿泊先は、わたしが子供のころ何度も利用した思い入れのあるホテル。
家族旅行といえば第一にそこが思いつくし、またいつか夫と訪れたいと思っていたので、懐かしい姿を前にした時は喜びもひとしおでした。
ただ、部屋に入るとそこも昔のままー、とはいかず・・
トイレはユニットバスタイプでなんだか薄暗いし、家具や寝具はくたびれているし、お部屋に用意されてあったお茶やお菓子も撤去されているし、ちょっぴり残念な気持ちに。
開業からしばらく経っているので仕方がないですね。
その日はリフトの営業終了時間が近づいていたのでスキーはせず、バイキングで食事して大浴場へ。
寝そべるタイプのジャグジーバスがあって、一度浸かるとあまりの気持ちよさにしばらくそこから離れられなくなります。
体が十分にほぐれてきた。
ふと顔に手をやると、眉間にしわが寄ったままだ・・。
日頃どれだけ頭を悩ませているのだろう?
無理やり手で伸ばしました。
一人の女性が同じ浴槽に入ってきた。
わたしと視線が合わない位置に腰を下ろす。
今度は乳児を抱いたお母さんがやってきて、先ほどの女性の前に座る。
すると、女性はなんだかばつの悪そうな顔をして、すぐさま方向転換。
お風呂あるあるかな。
二人はほぼ同時に立ち上がり、今度はお互い気まずそうにして、隣の浴槽に移動しようとしていた。
薄目にしてしばらく様子を見ていましたが、こんなところにまで来て気まずい人間模様を見るのに嫌気がさし、目をつむった。
つづく